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久しぶりの東京出張で今回も食べ歩きをしてきました。
2日間の滞在中、隙間時間を利用して何軒も行っているので、時間や場所はバラバラです。まず1軒目は横浜日ノ出町の第一亭。孤独のグルメ(テレビ東京)に登場したこともある中華のお店です。人気番組で紹介されると行列ができていたりしてゆっくりできないので通常は行かないのですが、ここの豚料理は強烈な印象があったので、機会があれば行ってみたかったのです。
お店が混雑して入れないようなら諦めようと軽い気持ちでいたのですが、第一亭に着いてみると店内にお客さんは二人だけで、「どうぞ好きな席に座って!」と店主が温かく迎えてくださいました。この日は日曜日でしたが、通常土日祝日のお昼は営業していないのに、たまたま料理の仕込みが早く終わったので急遽お店を開けたそうなのです。昼は営業していないとは知らずのこのこ行って目当ての料理にありつけるなんて本当にラッキーでした。
11時でしたが、夕方早い時間に会食の予定が入っていたので本当に食べたいものを2品に絞り込みました。それがこれです。写真左が豚耳軟骨で右がチートの生姜炒め。 |
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ボイルされた豚耳は下処理がきちんとされているので、食感を楽しみながら何度も噛みしめても臭みはまったくなく、白ネギと一緒に特製の味噌ダレををつけて食べればお酒がいくらでもすすみます。日本料理の刺身もそうですが、素材が良くて新鮮なことは重要ですが、料理人が下処理をきちんとしているのと、していないのとでは、味はガラッと違います。ネギの刻み方や自家製のタレなど細部を見るだけで料理店の実力というのはわかるもので、実はこういう素材そのものを味わうようなシンプルな料理の方が、意外にも味わえるお店は少ないと私は感じています。チート(豚の胃袋)の炒め物は生姜の風味と酢の酸味が絶妙で、しかも片栗粉でトロっと仕上げてあるので味がよく絡まります。歯応えがあり癖のある食材の長所を存分に引き出した素晴らしい料理でした。
突然の昼の営業でお客さんが少なかったので(帰る頃には常連で満席)、調理を終えて私の隣に座った高齢の女性店主(三人兄弟で経営)とこんな会話をしました。
「こんなに美味しく調理された豚は初めて食べました。」
「こういう下処理の苦労をわかってもらえると嬉しいよ。もう歳だから毎日の仕込みが大変でね。」
大変と言われましたが、大変でも絶対に手抜きはしないという強い信念を優しい瞳の奥に私は感じました。店を出る時、「またおいで!」と優しく声をかけていただきましたが、テレビで紹介され観光名所のようになった第一亭で今回ほど優雅に味わえることはもうないだろうと幸運を噛みしめつつ、店を後にしました。
夜、会合のある浅草で一條さん(時音の宿 湯主一條 宮城県白石市福岡蔵本鎌先1−48)と合流し大雨の中を歩いていると、「あっ、ここにあったんだ!」と急に立ち止まり「ちょっと入ってみましょう」と入ったお店がこちら。正直ビアホール(台東区浅草2 丁目22-9)。 |
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呑んべえの聖地なのかもしれませんが、普通に歩いていてここでビールが飲めるとわかる人は絶対にいないと思いました。提供されるのは生ビールのみ。おつまみは無料でチーズやお菓子、ゆで卵などがビールを注文する度にでてきます。店主の撮影はダメと言われましたが、壁に店主を描いた絵が飾ってあったのでそちらを撮影しました。
年季の入ったサーバーがお店の歴史を物語っています。ちなみに1杯だけの利用はNG で、一人2杯以上がここのルールなのだそうです。ビール好きなら一度行ってみる価値があるかもしれません。
一條さんと私の食べ歩きは1軒当たりの滞在時間が30分から1時間と短いので、まだまだ楽しいお店とたくさん出会うことができましたが、紙面の都合で続きは次回とさせていただきます。 |
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